本 丸 |
本丸は大小2棟の天守閣と鉛櫓・煙硝櫓を多聞櫓(塁上に設けた細長い単層の櫓)と塀によって接続する。これを連立式形態 |
といっている。東西140間余(約73米)南北35間(約64米)の凸字型の平面をなしている。地型の変化に対応して築かれた山 |
城は、自然に不規則な縄張りとなる。 |
しかし、この本丸は平城城郭のような整然さを有するので築城技術の完成したころの構築とみなされる。 |
昭和47、48年度の県教育委員会の高取城修理にともない、本丸東北隅の部分を対象に、石垣の実測、根石の状態を調査 |
したが、石垣のひずみの部分は後補のものであり、隅石には転用材を使用していることが明らかになった。転用石の中には漆 |
喰の付着した石が2個検出され、切石古墳の石を使ったものと想定されている。漆喰については分析によると桜井付近の古墳 |
漆喰の分析値に似ていると報告されている。 |
また、本丸鉛櫓下の背面に補助的に設けられた付台石垣の下に配列された胴木の存在は山城の遺存例として現在のところ |
唯一の発見例で注目すべきものである。 奈良県教育委員会 |