見て歩く甲斐武田氏の史跡ーあれこれ(1)

信玄の陣中食『ほうとう』/『ころ柿』

甲州名物『ほうとう』は、信玄の陣中食だったそうです。
小麦粉さえ持っていけば、野菜などは現地調達。
調理が簡単で美味しくて、絶好の陣中食だったのでしょう。
かつてお米が十分でなかった時代、
甲州では、どこの家でも食べたとか。

『ほうとう』ってなんでしょう?
『味噌煮込みうどん』とどこが違うのでしょう?
左は、山梨県の有名店『小作』の肉の入っていない『かぼちゃほうとう』です。
麺が良く分かるように、野菜の陰から引き出して撮影しました。

大きく切ったかぼちゃ、ねぎ、人参、干し椎茸、ジャガイモ、里芋、
ワラビ、味がついた細切り牛蒡、白菜、絹さやが入っています。
なかなかのご馳走です。
信玄の陣中食は、水で溶いた小麦粉を汁に流し込む
すいとんに似たものだったそうです。
『ほうとう』と『味噌煮込みうどん』の違い
(1)麺の形が違う。『ほうとう』の麺は、名古屋の『きしめん』より幅が広く厚い。
(2)『うどん』は一度茹でてから使うが、『ほうとう』の麺は、茹でないで直接煮込む。

(3)『ほうとう』には野菜がたくさん入り、かぼちゃは外せない野菜である。

因みに、『ほうとう』の『とう』と『うどん』の『どん』は、同じ漢字、『飩』です。『小作』では、南瓜を『熟瓜』と書いていました。

塩山市のあたりでは、干し柿のことを『ころ柿』というそうです。 干し柿も信玄の貴重な陣中食だったと聞いたことがあります。
干し柿は、陣中食として次のような利点があります。ナルホド!
(1)栄養価が高い
(2)軽いので持ち運びに便利
(3)美味しい
(4)保存がきく

煮貝

鮑を醤油で煮たものです。

昔、海のない甲州では、貝は珍しく美味しい食べ物でした。
駿河湾でとれた鮑を醤油漬けにして、馬の背に乗せて運んでくると、
甲府に着くころに、ちょうど良い味加減になっていたそうです。


甲陽軍艦に、「信玄公は、来客のもてなしに煮貝を賞用した。」
と書いてあると聞いて、一度買ってみました。
とても高価なので、一度の経験で十分だと思いました。

信玄袋

二段重ねの信玄弁当を入れるために
考案された『信玄袋』
これが元祖信玄袋です。

明治以降、
着物を着た男性用のハンドバッグとして、大ブレイクしたそうです。


大ブレイクした信玄袋は、概して細長く
側面に網代がついたりして、なかなかおしゃれです。


女性が使うと、巾着袋と呼ばれます。

信玄弁当


信玄弁当は、信玄公自らが工夫されたものかどうか分からないのですが、

2段重ねになっていて、ご飯とおかずが別々になっている、優れものの容器のことです。
レストランとかドライブインでメニューの中に『信玄弁当』というのを見たことがあります

上の画像は、私がネットオークションで購入したもので、宮崎県在住の方の手作りです。
蓋の部分が汁椀になっているのは、オリジナルではないような気がしますが、
気に入って、使っています。

武田家とその他諸将の家紋

武田氏
新羅三郎義光が元服のとき、着用した直垂の模様が
割菱だったので、武田家の紋が割菱になりました。

家紋としては、割菱の他に、花菱もあります。
塩山市の雲峰寺は、花菱になっていました。
割菱 花菱

板垣氏
甘利氏
馬場氏
青木氏
山高氏
大井氏
折井氏
穴山氏
内藤氏
柳澤氏
米倉氏
初鹿野氏
丸に花菱 四つ花菱
飯富氏
山本氏
真田氏
小山田氏
月 星 三つ巴
小笠原氏
諏訪氏
高遠氏
村上氏
三階菱 三ッ葉根あり梶の葉 三ッ葉根あり梶の葉 丸に上の字
仁科氏
揚羽蝶



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